PIP処理とは?
Powder Impact Plating(粉末を衝突させてメッキにする)の略です。PIP処理は、WPC処理の応用で生まれた新しい表面処理技術です。
大気中で金属粉末を圧縮エアーで高速噴射することによって、被処理品の表面に被膜形成或いは被処理品の表面組織に浸透拡散することが可能です。
この手法の用途には、摺動性の向上、対高温・腐食酸化被膜の形成などがあります。
機械部分、工具への潤滑性、耐摩耗性、耐熱性、その他の諸特性の改善が可能です。
(例) 自動車のピストンに処理することにより、摩擦抵抗を下げるため燃費が良くなります。
現在大手メーカーにも採用されています。
また生体材料を利用した生体親和性の向上や抗菌作用による院内感染防止といった医療技術としても用いられています。
(例) 骨と同化しやすい性質と、人体に無害である物質であるため、歯根や生体用治具に使用されています。
PIP処理の特徴
- ワークの形状及び寸法変化が他の処理と比べて少ないです。
- 薄板、小径部品及び狭隘部にも適用できます。
- 常温で種々の金属被膜の形成が容易です。
- 不要部に対するマスキングが簡単である様々な高機能が同時に付与できます。
- 様々な高機能が同時に付与できます。
- 利便性が高く、低コスト化が図れます。
PIP処理の効果
- 粉末潤滑剤の被膜の形成により摺動性が向上します。
- 金属表面に高硬度な被膜を形成する事が可能です。
- 潤滑性の高い被膜の形成が可能です。
- 耐摩耗・耐ピッチング・耐チッピング性が向上します。
- 応力腐食、粒界腐食、電食等の抑制効果が期待できます。
- 酸化皮膜の形成によるアルミダイカスト金型の焼付き防止に効果があります。