表面組織の改質
金属製品の表面に微粒子メディアを高速で噴射することで「急熱」・「急冷」が瞬時に繰り返され、熱処理と鍛錬の効果により組織をマルテンサイト化します。
SKD11


SKH51


硬度
「加工硬化」×「衝突時の瞬間的な熱」の相乗効果により表面から30μm程度の深さまで硬度が向上します。

靭性
微細で靭性に富む緻密な組織へ改質されます。
さらに表面から30μm程度の深さまで残留圧縮応力を付与する効果もあり、粘り強さを向上させます。



加工事例
使用機器 | ㈱リガク製微小部X線応力測定装置 「AutoMATEⅡ」 |
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ワーク材質 | みがき特殊鋼帯 SK-85 |
ワーク硬度 | HRC48 ± 2 HRC |


本事例においてはWPC処理前後における面粗度の変化が極めて少ないにも関わらず、未処理と比較して約8倍の残留圧縮応力が付与されていることが分かる。
摺動
製品表面に微小なディンプルを形成し、製品同士の接触面積を減らすことでスムーズな「摺動」及び「回転」動作のアシストが可能です。

離型
WPC処理によって形成された微細な凸凹が流体樹脂と金型表面との接触面積を減らすため、樹脂流れがスムーズになります。
同時に無方向で均一な微細凸凹部に空気溜まりが発生することで摺動性が増し、成型時の樹脂収縮における金型への張り付きが
低減することで離型性が向上し、成型不良を減少させることが可能です。
※愛知県工業技術グランプリ受賞




複合
コーティングやメッキといった他の表面処理に際して、WPC処理を「前処理」「後処理」に利用する事で被膜効果を飛躍的に向上させることが可能です。
前処理
- 母材とコーティングの硬度差を減少させる
- 炭化物が微細化された表面組織を形成
- 表面に形成された微細凸凹によるアンカー効果
コーティングの密着力が向上(特許第6084996号)

後処理
- 被膜を除去することなく残留圧縮応力の付与が可能
※ただし、膜厚・被膜の種類によっては処理不可能な場合があるため、詳細についてはお問い合わせください。
靭性が向上

事例:硬質クロムメッキ後のWPC処理にて表面のマイクロクラックが除去され、組織最表面の硬度が向上していることが分かる。


事例


