WPC技術のパイオニアである当社だからこそ出来た新しい表面処理技術です。
PIPとは
PIP処理はWPC処理の応用によって開発された+αの表面改質技術です。
バインダーや基盤加熱を必要としないにも関わらず、衝突付着によって高密度・高強度の被膜を形成することが可能となり、高い密着性のほか、寸法公差がゼロに近いという利点があります。
使用するメディア(=投射材)によって異なる特性を持つ酸化被膜を製品表面に形成することで、「耐熱性」「耐食性」「凝着防止」「摺動性」等の効果付与が可能です。

PIP処理の名称
Powder(粉末を) Impact(ぶつけて)Plating(メッキする)
PIPの特徴
- 処理による製品の形状及び寸法変化が他の表面処理と比べて極めて少ない。
- 薄板や小径部品、また狭隘部にも処理が可能。
- 処理不要部分についてはマスキングにて対応が可能。
- 常温処理にて様々な金属被膜の形成が可能。
SKD61にPIP-Snを実施した場合の表面EDX半定量値
化学成分[Wt%] | ||||
---|---|---|---|---|
Si | Mn | V | Cr | Mo |
1.0 | 1.1 | 0.9 | 5.5 | 1.1 |
化学成分[Wt%] | |||||
---|---|---|---|---|---|
Si | Mn | V | Cr | Mo | Sn |
1.3 | 0.7 | 0.5 | 2.7 | 0.5 | 55.1 |
SKD61にPIP-Snを実施した場合のATM%値(原子百分率)
装置 | アルバックファイ製X線光電子分光装置 PHI5000 VersaProbe |
---|---|
光源 | モノクロ化Al-Kα(15kV、25W) |
照射径 | φ100um |
帯電中和 | 不使用 |
測定方式 | 深さ方向分析 |
パスエネルギー | 93.9eV |
測定元素 | C, O, Sn, Fe |
スパッタイオン | Ar(3kV 2mmx2mm:SiO2換算で10nm/min) |

処理工程
1
脱脂・洗浄
荷受けした依頼品を加工前に超音波洗浄機や洗浄溶剤にて洗浄
2
処理前検査
洗浄後の依頼品に打痕や傷等が無いかを専門スタッフがチェック
異常があった場合には画像データ等を送付して報告
加工実施もしくは未処理返品についてお客様の判断を仰ぎます
3
処理加工
お客様の使用目的や用途に合った最適な加工条件で専門スタッフが加工を実施
4
処理後検査
注文書または指示書通りの加工がされたかの品質チェックを実施
(1)加工作業者→ (2)検査員の2名体制で実施
5
防錆・梱包
処理後の製品は防錆目的で油を塗布しますが不要な場合はその旨お伝えください
原則として荷受け時の荷姿にて梱包して返却となります
6
出荷
原則は荷物発送元へ宛てて出荷します
異なる宛先への出荷をご希望の場合はその旨を事前にお伝えください
最大処理サイズ
直径φ600以内で長さ500Lまでの製品について処理が可能です
上記以外のサイズにつきましてもご相談ください。
納期
通常扱いの納期設定のほか、即日納品等の特急対応も可能です。