ブラスト加工とは
ブラスト（Blast）は「吹き付ける」という意味を持ち、ブラスト加工は製品表面に
研磨材やショット材を吹き付けて加工する表面処理方法となります。
ブラスト加工の特徴
高い作業安全性
高温炉や薬剤を使用する処理とは異なり、加工従事者が過度な作業リスクを負うことなく、比較的安全な処理であると言えます。
均一な加工面
ショット材を噴射または投射によって、被加工物に一定のエア圧力で衝突させる表面処理であるため、処理ムラが少なく方向性の無い均一な加工面に仕上げることが容易となります。
多様な材質への加工が可能
加工可能な製品の材質は、金属のほかセラミックス、ガラス、樹脂など、様々な材質から成る製品への加工が可能です。
維持管理が容易
ブラスト装置及び加工用のエアを供給するコンプレッサーが主要設備となりますが、日常的な管理と数年に一度の定期メンテナンスを実施すれば、ほぼ問題なく長期間の使用が可能となります。
低コストの初期費用
ブラスト装置は基本構造が非常に単純であるため、仕様によっては設備投資が低コストで済みます。 お客様の御要望に応じて仕様を変更・追加することで、ハイスペックな装置に仕上げることも可能ですが、いずれにしても他の装置と比較して全体的に低コストであると言えます。
加工スピードの速さ
温度管理等が必要な大掛かりな設備と異なり、装置のセッティングに要する時間も短いため、短時間での製品加工が可能です。
ブラスト装置とは
ブラスト装置は、圧縮エアの力を利用して噴射する「エア式」と、モーターによって回転する羽根車（インペラー）の遠心力によって投射する「遠心式」に分類されます。
ブラスト加工の用途の紹介
バリ取り
―用途―
樹脂成形部品
ダイカスト製品
金属切削製品 他
クリーニング
―用途―
金型や製品についた付着物・酸化スケールの除去
紡着板や工具などのコーティング膜除去・再生
塗装不良品の塗膜除去・再生
ホーローやテフロンなどで発生する不良品の再生 等
残留応力付与
焼鈍や溶接等による引張応力の解放、圧縮応力を付与
美装
―用途―
表面の意匠性
キズ消し
梨地化（マッド化）
梨地・下地
―用途―
密着性向上（メッキ、塗装、コーティングなど）
磨き
―用途―
表面の平滑化
美観向上（光沢・鏡面化）
形状部の磨き性向上
コーティング後のドロップレッド除去
切削工具の切子流れ性向上